年下属性はありません!
「木村先生に相談したいんですが」

「じゃあ,そこの相談ブースで話そうか。」

まんまと相談ブースに二人で行くことになった。正行,ほんとにお前は策士だ。

「で,どうしたの?」

「先生,ラインやってますか?ラインID教えてもらえませんか?」

「うーん,塾の規定でそれは無理なんだよ。生徒と必要以上に仲良くなるのは禁止。住所を教えたり,個人的な内容でメールするのもだめ」

くそ,塾の規定だと?そんなルールがあるのか。

そんなものがあるせいで,教師と生徒の恋愛が進まないんじゃないか。(そのためにあるんだろうけど。)

ひとまず連絡先は置いておこう。後で正行に相談だ。

「そっすか。じゃあ,返事,聞きたいんですけど」

「返事?」

「昨日,俺が言ったことに対する返事です。俺としてはちゃんと言うことは言ったと思ってるんですけど」

俺の心の準備はできていた。シミュレーションはばっちりだ。

「驚いたけど,き,気持ちは嬉しいというかありがたいよ」

「じゃあ,付き合ってくれるんですか!」

木村先生の態度ははっきりしなかった。

年齢とか年の差とか中学生とか,理由にならない理由を挙げて断ろうとしていた。

③か?俺のことが嫌なのか?もしそうなら,俺は諦める。

それならそうはっきり言ってくれ。

「先生は,俺のこと嫌いですか?俺じゃだめですか?」

怖かった。だけど,はっきりさせたかった。

これでもし嫌いとかだめだと言われたら俺は立ち直れないかもしれない。

「嫌いじゃないし,だめじゃないよ。生徒としてはむしろ好きだし,彼氏としては私にはもったいないよ。ただ,君は未成年だ」

先生ははっきりと言った。

嫌いじゃない,だめじゃない,むしろ好き!!!!

これは,②ルート,キターーーーーーー!!!!
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