人間発注書
玄関先で追い返される映像が安易に浮かんできてしまう。


「店長とオーナーの代理だって言えばいい」


新人はそう言いながら制服を着始めた。


コンビニ店員として家に行くのだから、制服を着ていた方が違和感はないのだろう。


俺も、渋々自分の制服を着た。


シフトに入っていないのに制服を着るのは不思議な気分だった。


次に新人は仕事で使うシールプリントを取り出した。


文字を入力したらそれがシールとして出てくる機械だ。


子供のオモチャなんかでもよく見かける。


「そんなの何に使うんだよ」


そう聞いている内に新人は『マネージャー』と打ち込んでいく。


このコンビニで言うマネージャーはアルバイトの一番お偉いさんだ。


オープン当初から働いている人のネームにはこの文字がしっかりと刻まれている。
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