人間発注書
「これを顔写真の下に貼るんだ」


そう言って新人は自分のネームに『マネージャー』のシールを張り付けた。


同じように俺も『マネージャー』のシールを張るように指示される。


「おいおい、1つのコンビニにマネージャーが2人なんておかしいだろ」


複数人が同じ役職を持てるのはもっと下の役職ばかりだ。


『マネージャー』という役職は一店舗につき1人しかつけない。


「そんなの相手が知ってるワケがなんだから、大丈夫だって」


新人はとても軽い感じでそう言った。


本当にそうだろうか?


疑問を覚えつつも、今は新人に従って動く。


瑠菜を助けたいと言う勢いで飛び出してきたものの、俺は何の策も練ってこなかったからだ。


こんなことならもう少し冷静に行動するべきだった。


今更そんな事を思ったってもう遅いけど。


俺たちはバインダーを片手に、高高校生のバイトたちにバレないようそそくさと店を出たのだった。
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