人間発注書
部屋の中央には木製の大きなテーブルがあり、その向こうの黒いソファに男は座っていた。


ソファに深く腰をかけ、左右には美人な女が2人座っている。


その光景に俺は茫然としてしまった。


さすがの新人も驚いたようで、しばらくその場に突っ立ってしまった。


「まぁ、座れ」


村山にそう言われ、俺たちはテーブルの手前側にあるソファに座った。


今まで座ったことがないくらい、体がゆっくり深く沈んでいく。


とても高級なものだということが俺にも理解できた。


「バイトが来るなんて聞いてないぞ」


座った途端投げつけられた言葉に俺は焦った。


やっぱり、村山は警戒していたようだ。


「本日は上の者に急用が入りましたので、私たちが代理でやってきました」


新人がインタ―フォン越しに言った言葉を繰り返す。


しかし村山はしげしげと俺たちを見つめ、そして持っていたバインダーを指さした。

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