人間発注書
俺の出番なんて正直もういらないんじゃないかと思うのだけれど、いきなり2人きりで遊びに出る事が憚られるらしく、夏休みは3人で遊ぶという計画になっていた。


まぁ、それはそれでいい。


俺だって夏休みはみんなとワイワイ遊びたいし、それなりに楽しみにしていた。


それに、バイトを始めたというミホコを見ても、とても楽しみにしている様子がうかがえた。


自分から新人に話しかけることは滅多にないみたいだけれど、これをきっかけに更に関係が深まりそうな予感があった。


「そうだ。これ、いる?」


不意にミホコが俺にスマホの画面を突き付けて来た。


至近距離すぎてわからず、軽く身を引いて確認する。


瞬間、自分の心臓がドクンッと跳ねたのが分かった。


ミホコのスマホに表示されていたのは、近くの女子高に通っている西園寺瑠菜(サエンジ ルナ)の写真だったのだ。


その名からわかるように瑠菜は全国的に有名な会社の娘で、通っている高校もお嬢様高校だった。
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