人間発注書
「まぁ、噂は噂なのかもしれないけど、でも、あそこの娘、もう学校へ行ってないみたいだぞ」


伸紀は好奇心をむき出しにしてそう言った。


「え……?」


瑠菜が学校へ行っていない?


ストレスが原因で入院をしていたとは、ミホコから聞いていた。


けれど、それから連絡が取れるようになっていたはずだ。


俺には連絡が来ないから、少しばかり気に病んでいたところだ。


「お嬢様学校からここに転校して来るって聞いたんだ」


「は!?」


俺は思わず大きな声を上げてしまった。


おなじように弁当を広げていたクラスメートたちがこちらへ視線を向ける。


「やっぱり、知らなかっただろ?」


伸紀はニヤニヤしながらそう言った。


俺よりも早くに情報を仕入れて来たことが嬉しい様子だ。


「それ、本当の情報なのかよ?」


デマである可能性は十分にある。
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