人間発注書
価値
地位も名誉も金も、すべてにおいて村山に劣っている自分が瑠菜を助ける手段があるのか。


そう考えながら歩いていると、いつの間にか家に到着していた。


俺は真っ直ぐリビングへ向かい、パソコンと立ち上げた。


真剣な表情をしている俺を見て、母親は不思議そうな顔をしている。


『人間発注書』の画面を表示して母親の方へチラリと視線を向ける。


母親は晩ご飯の準備を始めていて、こちらの様子は気にかけていないようだ。


俺はサイトを下へとスクロールさせた。


下の方に『売りたい方へ』と書かれたメールフォームがあるのだ。


俺はそれをクリックし、メールを立ち上げた。


そこに、売りたい人間がいる事と、その人間がいくらになるかが知りたいという内容を書き込んだ。


キーボードを打っている時、手に汗がにじんできて、何度かミスタッチをした。


それでも全部を書き終えて、俺はメールを送信したのだった。
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