人間発注書
自分の考えていることは本当にバカだと思う。


自分自身の値段を聞いたところで、瑠菜を助けられるなんて本気で思っているワケでもない。


でも、瑠菜の家に借金があるのなら、それを少しでも軽減できるんじゃないかと思ったんだ。


借金が減れば、瑠菜を売る事だってしなくていいかもしれない。


そんな、バカげた考えがあった。


メールを送信してからの俺はもう気が気じゃなかった。


あれだけ不快感を覚えていた『人間発注書』に頼るしかない自分がふがいなかった。


そして夜になり、サイト側から返事が来たとき俺は飛び上がりそうなくらい驚いた。


『こちら人間発注書の販売部です。


メールをありがとうございます。


我々は売られる方と直接お会いし、その価格を決めています。


もちろん、その方がどれだけの時間を売るかで価格も変動してきます』
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