人間発注書
俺は新人のアパートへと向かっていた。


何度か行った事のある小さなアパートへ向かいながら、俺は新人に電話をかけた。


しかし、すでに解約されているようで現在使われておりません。


という機械音が聞こえて来た。


ミホコにも電話をかけた。


が、こちらも全く同じ音声が流れて来るばかりだった。


気持ばかりが焦る中、新人の部屋の前までやってきた。


チャイムを連打するものの、中から人が出て来る気配はい。


それ以前に、人がいる気配すらなかった。


この前来たときには真城という表札が出ていたのに、今は出ていない。


背中に嫌な汗が流れて行くのを感じた。


俺はめげずに再び歩き出した。


新人がなんという大学に通っていたかは知っている。


今度はそっちに確認をしにいくつもりだ。
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