人間発注書
☆☆☆

新人が消えた。


それなら次はミホコを探す番だった。


けれど、ミホコの行き場所の検討はついている。


『人間発注書』に載った人間は、購入者の好みになるように教育される。


ミホコの買い手が決まっていたとすれば、すでに施設に送られているということだ。


仮に買い手が見つかっていなかったとしても、当人が逃げ出さないように対処していることだろう。


俺はミホコの家へと走りながら奥歯を噛みしめた。


なんでミホコが売られるんだよ。


瑠菜のことで頭が一杯になってしまい、身近なミホコに起こっている事を把握できていなかった。


自分自身に強い嫌悪感を覚えながら、俺は走ったのだった。
< 166 / 304 >

この作品をシェア

pagetop