人間発注書
☆☆☆

誰からもミホコの情報を得る事ができない。


クラスメートたちもミホコと連絡が取れなくなっているようで、もう八方ふさがりの状態だ。


せめて『人間発注書』の施設がどこにあるかわかれば、少しは手掛かりになるのに。


そう思ったところで、そんな貴重な情報はそう簡単につかめるものではなかった。


「どうした秋夜、元気ないな?」


昼休みに1人で弁当を広げていると伸紀にそう声をかけられた。


伸紀は相変わらず元気そうだ。


「あぁ。もう、頭の中はグチャグチャだ」


俺は素直にそう返事をして頭を抱えた。


本当は食欲だってほとんどなかった。


それでも食べない余計に元気がなくなってしまうから、食べているだけだった。


「なにがあったんだよ、話してみろよ」


伸紀は隣の席の椅子を勝手に拝借して俺の前に座った。
< 170 / 304 >

この作品をシェア

pagetop