人間発注書
☆☆☆

昼休憩中の高原先生は食堂にいた。


生徒たちに混ざって談笑しながら食後のコーヒーを飲んでいた高原先生に、後ろから声をかけた。


「あら、どうしたの?」


俺と伸紀が真剣な表情で立っているのを見た高原先生は目をパチクリさせている。


「もう少し、ミホコの事について知りたいんです」


そう言うと、高原先生は今朝と同じように視線を空中へと泳がせた。


「わかったわ。場所を移動しましょうか」


断られる覚悟だった俺たちは高原先生の言葉に一旦は安堵したのだった。
< 176 / 304 >

この作品をシェア

pagetop