人間発注書
それから移動した先は体育館裏だった。


本当に誰にも聞かれたくなかったのだろう。


ここに来る生徒なんて滅多にいない。


放課後の告白だとか、イジメの現場になるくらいなものだった。


「君たちはどこまで知っているの?」


体育館裏についた途端、高原先生がそう質問してきた。


「ミホコが『人間発注書』に売られた事は知っています」


ハッキリとそう告げると、高原先生は少しだけ顔をしかめた。


「『人間発注書』のサイトで見つけたの?」


その質問には俺は無言で頷いた。


本当のことは言えない。


自分の金額を知るために関係者に会ったなんて言えば、余計な心配をかけるだけだ。
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