人間発注書
そう思いながら鞄を持って立ち上がる。


「それなら、その施設に先回りしていれば、ミホコと接触ができるってことだろ?」


伸紀の言葉に俺は顔をあげた。


伸紀の顔は今まで見たことがないくらい真剣なものだった。


どうやら本気で色々と考えて調べていたらしい。


「だけど施設の場所がわからないだろ」


それが致命的なんだ。


俺だって散々調べて来たけれど、施設の場所や人間の受け渡し場所についてはなにも出てこなかった。


それらの情報が厳重に管理されているから出てこないのだ。


「だけどお前言ってただろ」


「なにをだよ?」


「あの屋敷に暮らしてるオッサンの事だよ。沢山の女を購入してるって」


伸紀の言葉に俺は目を丸くした。
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