人間発注書
たしかに、ミホコがいなくなってしまったことを話す時、伸紀にも村山の事を説明した。


「そうか、購入者である村山ならなにか知ってるかもしれない」


「そうだよ。少なくてもネット上の情報よりも詳しいはずだろ?」


施設の場所までとは言わなくても、村山なら人間の受け渡しまで経験しているのだ。


真っ暗だった目の前が途端に開けて行く感覚がした。


「行こう。今すぐに!」


俺はそう言うと、伸紀と2人で教室を出たのだった。
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