人間発注書
村山がそう聞いてくるので、俺は素直に頷いた。


助ける手伝いをする代わりにミホコを渡せと言われるかもしれないとドキドキしたが、そんなことは言ってこなかった。


「購入者は決まったのか?」


「わかりません」


「そうか……」


村山はそう言い、隣に座っている女の太ももを撫でた。


女はくすぐったそうに身をよじる。


けれど、嫌な顔1つしない。


それはきっと施設内でちゃんとした教育を受けているからだろう。
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