人間発注書
「俺は秋夜。こっちは伸紀」


「どうやって、この場所を見つけたの?」


少年の声が少しだけ震えている。


怖いのかもしれない。


「知っている人に聞いて来た」


「そっか……」


少年はそこまで言うと、部屋へと足を踏み入れた。


テーブルに置いてある漫画を手に取り、それを本棚へと片付けた。


少年はこのためだけに部屋へ戻って来たようだ。


「この施設の事を知っている人なんて、限られてるでしょ」


少年は俺たちへ向き直り、そう聞いて来た。


「あぁ、そうだな……」


「この施設の事を口外することは許されない。ここへ入った時にそう教えられるんだ」


「そうだったのか」
< 208 / 304 >

この作品をシェア

pagetop