人間発注書
俺は掲示板内で《ナイト》と名乗った。


秋夜の夜と、ルナのナイトでありたいという気持ちから考えたハンドルネームだった。


ミホコにバレたらそれこそ気持ち悪がられそうだから、これは絶対に俺だけの秘密だ。


《ナイト> 俺もこの前靴を買ったけど、すごくいい商品だったよ? 最近はTrustの名前を使った別の販売サイトもあるらしいから気をつけて》


それだけ書き込むと、俺はひと仕事終えたような気分になっていた。


類似サイトがあるかどうかは知らないけれど、こうして書いておけばTrustの評判は落ちないハズだ。


ナイトの書き込みから数十分で、数件の新たな書き込みがあった。


《ミウ> ナイトさん初めまして。そうなんですね? Trustの類似サイトがあるなんて死rませんでした。サイトのURLを教えてくれませんか?》


ミウからの書き込みに俺は顔をしかめた。


サイトのURLを聞かれるとは思っていなかった。


ここは適当に誤魔化す事はできなさそうだ。


どうしようかと思案している所に、別の書き込みがあった。
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