人間発注書
「だけど僕はスーパーマンがいるって信じてるよ。お兄さんたちみたいなさ」


タケトはそう言って無邪気に笑った。


スーパーマン。


俺たちはそんなカッコいいもんじゃない。


ただ助けたくて、ただ1人のためだけに動いている。


自己満足と言われたらそれまでなんだ。


「タケト。お前はどんな人のところへ行くんだ?」


伸紀がそう聞いた。


タケトは大きな目を伏せてまつ毛を震わせる。


「僕は……とってもお金持ちなおばさんの家に行くんだって。そこには僕くらいの男の子が沢山いるから、きっと楽しいぞって言われてる」
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