人間発注書
「なぁ、ミホコを解放してくれよ!」


俺は鉄格子にしがみ付いてそう言った。


俺はこのままどうなったってかまわない。


だけど、ミホコだけは助けたかった。


「ダメだ。いい加減諦めろ」


男の冷たい声が響き渡る。


男は施設の情報を漏らした人間を特定すると、もう俺たちに興味はなさそうだった。


「一応上部に報告しておくか」


など、ブツブツ言いながら立ち去ろうとする。


「待ってくれ! それならミホコの代わりに俺を売ってくれ!!」


俺は男を引き止めるために必死になってそう言っていた。
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