人間発注書
☆☆☆

それから俺たちは民宿へ戻ってきていた。


あと何泊かする予定だ。


車がいつ山を下りて来るかわからないから、見張っている必要もあった。


幸い、俺たちは4人になった。


1人ずつ交代で施設の近くで待機し、車が動きそうな気配があったらすぐ他のメンバーに連絡を取る事に決めた。


俺と伸紀の2人だけだった時は本当に無謀だと思えることをしてしまったのだと、改めて痛感した。


こうして生きてここにいる事が奇跡なのだ。


「秋夜、スマホが鳴ってるよ?」


数日経過した夜、テーブルの上に置きっぱなしにしていたスマホが鳴っている事に気が付いて、ミホコがそう言って来た。

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