人間発注書
そんなハズはない。


瑠菜が売られる可能性が高いのは、夏休み中のはずだ。


そう考える俺の横でミホコがスマホを操作し始めた。


「倒産!?」


しばらく画面を見つめていたミホコが驚いたように声を上げた。


「倒産って、どういうことだ?」


嫌な予感が胸を渦巻き始める。


ミホコがスマホの画面を俺に見せて来た。


見たくない!


本能的にそう思ったが。見ないワケにはいかなかった。


ミホコのスマホが映し出していたのは『Trust』を経営していた会社が事実上の解散をっしたという内容のものだった。


高価な商品を丁寧に配送することで評価が高かったが、高価な商品は頻繁に購入することができない。
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