人間発注書
言い訳
家に帰るまでの間、俺は散々言い訳を考えていた。


怒られる覚悟だったからだけど、家に戻ってみると意外にも怒られることはなかった。


途中でミホコが電話を取ったのが良かったのか「ボランティアならそう言いなさい」と、少し渋い顔をされただけで済んだ。


それでも学校はそうはいかないだろうと思ったのだが、実は数日前に担任の高原先生が家に来ていたようだ。


高原先生は何の連絡もない俺を心配して家に来たハズだったが、両親は何も聞いていなかった。


ただ、俺の様子を気にしていたらしい。


どうなってるんだ?


家からも学校からもなにも咎められない。


それは好都合ではあったけれど、すんなり納得できることではなかった。


けれど、今の俺には家より学校より大切な事がある。


瑠菜を村山の家から助け出すのだ。


そう思うと、他の事を考えている暇もなかったのだった。
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