人間発注書
☆☆☆

学校のない時間はあっという間に過ぎて行く。


気が付けばもう放課後になる時間で、俺たちは約束通り校舎裏へと向かっていた。


私服姿は目立つから、学校の近くの公園で着替えている。


帰って行く学生の流れに逆らいながら校舎裏へと向かうと、そこにはまだ誰もいなかった。


高原先生の仕事が終わるまではまだ時間がかかりそうだ。


そう思い、俺たちは校舎裏で待機することにした。


「そういえば、スマホはどうした?」


伸紀にそう質問されて俺は左右に首を振った。


高原先生と話をしてから怖くなり、電源を切りっぱなしにしている。


「やっぱり、そうだよな」


伸紀はそう言い、しきりに何かを気にしている様子だ。


「親に連絡を取りたいの?」


ミホコが伸紀へ向けてそう聞いた。


「あぁ。しばらく家に帰らなかったし、心配してるんだ」
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