人間発注書
☆☆☆

森の中に身を隠しはじめて2日が経過していた。


村山の動きに変化はない。


時々若い女性が表に出て来て掃除をしているけれど、その程度にしか人の出入りもなかった。


俺はため息を吐き出しておにぎりをほおばった。


最初に買っておいた食料がそろそろ無くなってきている。


夏だし、大量に購入することを避けたからだ。


もう一度コンビニへ行くべきだろうか。


あと何日ここで見張っているかもわからないんだ、ついでにシャワーくらい浴びたい。


でも俺の気持ちはなかなか踏ん切りがつかなかった。


俺が買い物をしている間に、俺がシャワーを浴びている間に瑠菜が来たらどうする?


そう思うと、動く事ができなかった。


もう少し、今日の夜になるまで待とう。


そう思い、俺は再び村山の屋敷へ視線を向けたのだった。
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