人間発注書
村山の家に動きがあったのはそれから1時間くらい経過した時だった。


車の音が聞こえて来て確認すると、黒いバンがやって来たのだ。


それは間違いなくあの施設の車だった。


あの時しっかりナンバーまで覚えていたから間違いない。


俺の心臓はドクンッと高鳴った。


目をこらして様子を確認していると、中から黒スーツの男が2人出て来た。


その2人に挟まれるそうな形で、瑠菜が出て来たのだ。


その顔は真っ青でうなだれている。


「瑠菜……!」


思わず出て行きそうになり、必死で押しとどめた。


黒スーツの男の手には拳銃が握られていたのだ。


スタンガンよりも殺傷能力の高いその武器に足がすくんだ。
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