人間発注書
門に手をかけている状態でどんな言い訳が通用するだろうか?


必死で頭を働かせても、いい言い訳なんてなにも思い浮かばなかった。


「あなた、コンビニの?」


俺の顔を見た女性がそう言って近づいてきた。


「え……」


よく見ると、村山の家に初めてきた時飲み物を出してくれた少女だったのだ。


まだあどけなさの残る少女の顔にドキッとする。


「もしかして、この屋敷の中いる女性たちを助けたいと思ってる?」


そう質問されて、咄嗟に頷いていた。


嘘というワケじゃない。


全員を助け出す事はできないけれど、瑠菜だけは絶対に助け出す。


「そうだよね。そうだと思ってた。だってコンビニで人を購入する時はいつも自分から出向いてたもん!


それがあの時はコンビニ店員さんの方から屋敷に来てたから、おかしいなって思ってた!」

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