人間発注書
「まぁ、男手が必要な時もあるからなぁ。お、こっちの子はなかなかの上玉だな」


ミホコを舐め回すように見つめる村山。


「いいでしょ? その子は両親から1度売られてるから安心してここに置いておくことができるわよ」


「へぇ。こっちの男は?」


「その子は施設から逃げ出して来たの」


「なるほど」


そう言いながらも伸紀には目もくれず、高原先生の前へと移動した。


「だけど、俺が一番ほしいのは君だ」


村山の言葉に高原先生が顔をしかめた。


本当に嫌悪しているのが見ていてもわかった。


「冗談はやめて」


「冗談なんかじゃない。俺は君さえいればここの全員を解放したってかまわないんだよ」

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