人間発注書
その《重要事項》が《人間発注書》に関することじゃありませんようにと祈りながら、クリックする。


そこで表示されたページはトップページの可愛らしさとはかけ離れていた。


黒い背景に赤い文字は《人間発注書》のサイトと全く同じだ。


そしてそこには《20××年借金返済のための法律改訂》と書かれている。


この先を読み進めたらきっと後悔することになる。


頭では理解しているのに、目は文字を追いかけはじめていた。


《20××年。ロボットの普及に伴い失職者が急上昇。


また、ロボット開発のため多額の借金を背負うものも多くみられている。


今の日本は成人されている方の約半数以上が職を持たない現状となっている。


雇い主も、主にロボットをメインで導入しているため、働き手で必要となるのはアルバイト程度。


そんな中雇われるのは若い学生が主になる。


安い賃金で働く事ができるからだ。


そうした社会の動きを見て警察では苦肉の策と知りながらもごく一部の人身売買を認めざるを得ない事になった》
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