人間発注書
警察がおふざけでこんな事をするとは思えない。


「ちょっと待てよ? その《人間発注書》がどうしてバイト先のコンビニにあったんだ?」


そうだ、肝心な事をすっかり忘れていた。


まさか、店長やオーナーは裏で人身売買に関わっているのだろうか?


人の良さそうな中年太りをしている店長の顔を思い出す。


いつもニコニコと笑顔でお客さんたちを出迎えている店長と人身売買という言葉がどうしても結びつかない。


なにかヒントになることがあるんじゃないかとサイト内を巡っていると、《人間発注書取扱店舗》という文字が目に入った。


俺は迷わずその文字をクリックした。


《人間発注書取扱店舗に関して20××年現在では人間発注書を以下の店舗で取り扱っています。


また、人間の発注はサイト上でも可能です。》


そんな説明文の下にズラリと店舗名が並んでいる。


それはごく普通のスーパーだったりホームセンターだったりして、よく知っている店名もいくつもあった。


その中に、バイト先の店名を見つけた時は悲鳴を上げそうになってしまった。
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