人間発注書
☆☆☆
それから俺は伸紀の買い物に付き合っていた。
当初欲しがっていた靴はこのあたりには置いていない。
けれど、一応は伸紀の気に入る靴が見つかって、俺は内心ホッとした。
Trustの事を伸紀に教えたのも、行動購入をもちかけたのも俺だ。
それなのに伸紀の商品だけ不良品で、しかも返品を受け付けてもらえなかったとなると、さすがに良心が痛んでいた。
「ごめんな伸紀。あの靴も高かったのに」
バイトをしていない伸紀からすれば、数万円の靴はかなり高額だったはずだ。
「なんでお前が謝るんだよ」
新しい靴を買う事ができてご機嫌な伸紀はそう言って笑った。
「だって、俺が……」
「気にすんなって。あの靴はあの靴で弟が欲しがってたから、今日帰ったらさっそくやるつもりだし」
「そっか……」
誰かに使ってもらえるのなら、俺の気持ちは少しは楽だ。
それから俺は伸紀の買い物に付き合っていた。
当初欲しがっていた靴はこのあたりには置いていない。
けれど、一応は伸紀の気に入る靴が見つかって、俺は内心ホッとした。
Trustの事を伸紀に教えたのも、行動購入をもちかけたのも俺だ。
それなのに伸紀の商品だけ不良品で、しかも返品を受け付けてもらえなかったとなると、さすがに良心が痛んでいた。
「ごめんな伸紀。あの靴も高かったのに」
バイトをしていない伸紀からすれば、数万円の靴はかなり高額だったはずだ。
「なんでお前が謝るんだよ」
新しい靴を買う事ができてご機嫌な伸紀はそう言って笑った。
「だって、俺が……」
「気にすんなって。あの靴はあの靴で弟が欲しがってたから、今日帰ったらさっそくやるつもりだし」
「そっか……」
誰かに使ってもらえるのなら、俺の気持ちは少しは楽だ。