人間発注書
グルグルと逡巡している間に学校に到着してしまった。


「おはよう秋夜」


先に登校して来ていたミホコが俺を見つけるなり、そう言って来た。


「おう」


片手を上げて挨拶し、自分の席に座る。


しかしすぐに思付いてミホコの席へと近づいた。


1時限目の授業の予習をしていたミホコが顔を上げる。


「なに?」


「なぁ、お前新人と良い感じなワケ?」


今までミホコとこういう会話をあまりしてこなかったから、質問するだけでなんだか居心地の悪さを感じる。


しかしミホコはその質問だけでほんのりと頬を赤く染めた。


それは俺の質問に肯定しているという意味だった。


「まぁ、別に、嫌いじゃないかなって持ってるけど」


ミホコも相当恋愛初心者なのか、そんなぶっきら棒な事しか言えないようだった。
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