人間発注書
「付き合ったりとかすんの?」


そう聞くと、ミホコは真っ赤な顔で俺を見て来た。


なぜだか今にも泣き出してしまいそうに見えて、一瞬たじろく。


「新人君の気持ちがどうなのかわからないし……」


この後に及んでそんな事を言っているのかと、ため息が出た。


そもそも、コンビニに買い物に来ていたミホコに目を付けたのは新人だ。


それで俺が2人の橋渡しをしていたのだから。


「新人の気持ちなんてわかったようなもんじゃん」


軽い口調でそう言うと、ミホコは視線を泳がせ、そしてうつむいてしまった。


今度は耳まで真っ赤になっている。


「俺は応援するよ」


「……ありがとう」


「けどさ、このまま夏休みに3人で遊ぶってなると、さすがにちょっと気まずいっていうかさ……」


ようやくに本題に入り、俺は自分の頭をポリポリとかいた。


赤い顔のままのミホコが顔を上げる。


「あ、そっか……」
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