人間発注書
「そうなんだよ。せめて伸紀を連れていくとか、なんとかしたいんだけど」


「伸紀君か……」


案の定、ミホコはあまりいい顔をしなかった。


伸紀とミホコも長い付き合いだけれど、2人の距離感はそれほど近くはないからだ。


「もう1度、瑠菜を誘って見たら?」


瑠菜という名前に心臓がドキンッと跳ねた。


「なんだよ。ミホコが誘ってダメだったなら、俺が誘ったってダメだよ」


「そうかもしれないけど、秋夜ももう少し頑張ってみたら?」


ミホコの言葉に俺は返事に困ってしまった。


もちろん頑張りたい。


昨日の新人とミホコを見て羨ましいと感じたことも事実だ。


「ねぇ、瑠菜の連絡先知ってるんだよね?」


「あぁ、一応……」


それはミホコが仲介してくれて、どうにか手に入れた連絡先だった。
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