人間発注書
けれど、まだ自分から連絡を取った事はない。


「だったら、少しは連絡してみたら?」


「そんなのわかってるよ」


できたらとっくの前にやっている。


そう思い、思わずムッとしてしまう。


「今からでも間に合うよ。夏までに瑠菜と仲良くなって、それで4人で遊びに行こうよ」


ミホコはほほ笑んでそう言った。


その提案は俺にとっても一番最高な提案だと思えた。


ただ、その前に大きな障害がある。


お嬢様である瑠菜と俺がどこまで接近できるか、という障害だ。


ミホコと新人の場合はその間の隔たりなんて、あってないようなものだった。


高校生と大学生という違いはあるけれど、2人ともごく一般的な家庭の子供だ。


でも瑠菜は違う。


あのTrustを立ち上げた両親を持っているのだ。


それだけでもう俺とは生きてる世界が違うような気がしてしまい、どうしても尻込みしてしまうのだ。
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