人間発注書
「ってうか、なに勝手な事してんだよ!」


ようやく、ここは怒る場面だと思い出してそう言った。


「ダメだった? でも、こうでもしなきゃ秋夜は自分から動かないでしょ?」


図星を突かれて俺はぐうの音も出ない。


「あたしと新人君が出合ったのと、瑠菜と秋夜が出合ったのはほぼ同時期だったじゃん。それなのに秋夜の方だけなんの進展もなんだもん」


またまた図星を突かれてしまい、今度はミホコの顔をまともに見る事もできなくなった。


ほんと、俺って今までなにしてたんだろう。


時間はたっぷりあったはずなのに。


自分に言い訳をして無理だと決めつけて、瑠菜に連絡を取る事さえできずにいた。


そんな自分を、今は変えたいと思い始めていた。


Turstの評判が落ちて来たことも気になる。


少しでも瑠菜の力になりたいと思っていた。


「今日の放課後は瑠菜に会って来る」


そう言うと、ミホコは満面の笑顔を浮かべて「頑張ってね」と、言ったのだった。
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