人間発注書
夏の予定
翌日。


教室で鞄を下ろしているところに元気のいい声が聞こえて来た。


「おはよーみんなー!」


その声に振り向くと、幼馴染の白鳥ミホコが登校してきたところだった。


ハツラツとしたミホコの挨拶に教室内に笑顔が咲く。


「おはよーミホ、今日も元気だねぇ」


「ミホー! 今日の課題見せてぇ!」


「待ってよあたしが先だよぉ!」


成績優秀なミホコが登校してくるといつもこういう事になる。


ミホコは呆れ顔をしながらもみんなに課題を見せてあげるのだ。


俺はよっこらしょと立ち上がり、呆れ顔のミホコへと近づいた。


視線がぶつかった瞬間、ミホコが顔を噛めた。


うわぁお。


目が合っただけで嫌悪感をむき出しにされるなんて、俺泣きそう。
< 8 / 304 >

この作品をシェア

pagetop