人間発注書
原因
瑠菜との初デートは見事失敗して終わったと言えるだろう。


家に帰った後も、翌日のバイトも俺は全く考えることができない状態になっていた。


突然倒れた瑠菜。


駆けつけた紳士は俺の事を睨んでいた。


「完全に嫌われたよな……」


バイト先のコンビニでガックリと肩を落としていると、新人が「どうしたぁ？　元気ないなぁ」と、元気よく声をかけてきた。


正直今はそっとしておいてほしい。


ミホコといい感じになっている新人からは余計な心配はされたくなかった。


「俺が貸してやった服よかっただろ？」


「あぁ……そうだな」


正直デートが終った頃には自分の服装のことなんてスッカリ忘れていた。


だからそのまま家に着て帰ってしまい、新人の家に自分の制服を置きっぱなしにしてしまったのだ。


慌てて取りに帰ったのは今朝のことだった。
< 91 / 304 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop