人間発注書
☆☆☆

バイトが終わって帰ろうとした所新人に呼び止められた。


「なんだよ」


正直、今日もすぐに帰って寝てしまいたい気分だった。


苦し気な瑠菜の顔を思い出すと、胸が張り裂けそうになる。


そんな中新人のノロケ話なんて聞かされたら、俺は自殺を考えてしまうかもしれない。


けれど、予想に反して新人は真剣な表情だった。


「なにがあったのか話せよ」


そう言われて、俺は諦めたようにため息を吐き出したのだった。
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