人間発注書
「もちろん入れた。だけど返事がないんだ」


「スマホを取り上げられたんじゃないか? その運転手は瑠菜ちゃんが疲れてるって言ったんだろ? 瑠菜ちゃんが慣れていないものを取り上げた可能性はあると思うぞ?」


「そうかもしれないけど……あんなに睨まれたらもう会う事はできねぇだろ」


俺はそう言い、ファミレスのテーブルに突っ伏してしまった。


瑠菜の苦しげな顔。


紳士の睨んだ顔。


それらが交互に思い出されて涙が出そうになる。
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