恋する天の川
心太…?
たっくん…?
え、たっくんのお父さんって心太だったの…?
私の涙腺はダムから水を放水したように崩壊した。
あまりに突然の出来事は、自分の中でどう処理していいか分からない。
でも、ちゃんと先生らしく振舞わないと…
プロだし、たっくんの担任なんだから…
「先生、一緒に写真を撮ろうよ~」
たっくんの何も知らない無邪気な顔がなおさら涙を誘った。
「でも、何で、先生そんなに泣いてるの?」
私はハンカチで涙を必死に拭いて笑顔を作るも、でも、心太の顔はまともに見れない。
「先生はここ、ほら、心太も来て~」
心太??
たっくんはお父さんを心太って呼んでるんだ…
「よ、美緒、久しぶり」
あんなに会いたかった人なのに、こんな再会なら会いたくなかった。
平静を保てるほど私は大人じゃない。
「俺のLINE見ただろ…?」
私は下を向いたまま頷いた。
「心太、美緒先生、パパの方を見て。
ほら、写真撮るよ~~」
パパ…?
何、どうなった?
訳が分からないよ…
「父さん、この天の川をちゃんと写してよ」
心太はそのカメラを持つ男の人にそう言った。
その男の人の隣には、若くて綺麗な女の人が微笑んでいる。