poker face
ある日、大学の友人
神山由佳に相談していた。


由佳とは幼馴染。
俺が葵を本気で好きなことも知ってたし、口下手なことも知っている。



『なぁ、もうすぐクリスマスだろ??
 女が貰って喜ぶプレゼントって何??

 葵に聞いても何も言わねぇし…
 俺、そういうのよくわかんねぇし…』



今までのクリスマスとか誕生日は
デートしてくれるだけでいいって葵が言うからそうしていた。


でも、今回は
「うぅん、何もいらないよ」

葵は何も欲しがらなかった。
…デートもしたいと言わなかった。



「…私が欲しいものは買えないから…」

俺には葵が囁いた言葉が聴こえなかった。




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