sweet voice
「しちゃいましたね」


「やっちゃったな」


裸で布団にくるまりながら、お互いつぶやいた。


欲望に負けてしまった自分が、情けなかった。


伸二くんとつきあってるのに、どうして荒井さんに抱かれてしまったんだろう。


「帰りますね」


「今から歩いて帰るつもりか?」


「へっ?」


時計を見たら、もう深夜1時過ぎだった。


「泊まっていけよ、また明日の朝早く送ってやるから」


「でも・・・」


「今さら後悔するのはやめろよな。


花音は、俺を選んだんだ。


彼氏がニューヨークにいるってわかってて俺を誘った時点で、もう決まってたんだろ」


「伸二くんに、何て言えばいいのかわからないです」


「今日のことをそのまま言えばいいんじゃねーの?


大抵の男は、彼女が浮気したら冷めると思うけど」


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