sweet voice
「おはよ、そろそろ起きろ」


荒井さんの声で目覚める朝がくるなんて。


朝からこの声が聞こえるなんて、贅沢だ。


「・・・おはよう、ございます」


「朝メシ、作ったから食えば」


「何から何まで、すみません」


顔を洗って椅子に座ると、トーストとスクランブルエッグとトマトとヨーグルトがワンプレートにのせられていた。


「コーヒー置くぞ」


「いただきます」


「7時に出れば間に合うだろ?」


「はい」


昨晩のことが夢みたいに、いつも通りの荒井さんが目の前で朝食を食べている。


「荒井さん、女子力高いですね」


「これくらい普通だろ」


「ヨーグルトにジャムが添えられてるとことか、私やらないです」


「俺の株あがったな」


「はあ・・・」


「花音、そろそろ敬語やめろよな。


遅くても、年下彼氏とケリついたらやめろよ」


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