sweet voice
気だるいまま目を覚ますと、伸二くんはパソコンに向かっていた。


うわー、また寝過ごした。


あわてて時計を見たら、もうすぐ10時になる。


「伸二くん、ごめん」


「おはよ、花音さん。


あんまり気持ち良さそうに寝てるから、起こせなかったよ」


「起こしてくれていいのに。


っていうか、時差ボケきついの伸二くんなのに」


「進むのは割と楽なんだよ、戻るのはきついけどね」


「何か食べる?・・・パスタくらいしかないけど」


「いいよ、あとで少し早いランチしに行こう」


「わかった、すぐ仕度するね」


「仕事やってるから、気にしないで」


シャワーを浴びながら、昨日のことがフラッシュバックする。


私、プロポーズされたんだ。


つきあって数ヵ月なのに、結婚しちゃっていいんだろうか。


結婚となると、それぞれの家族や親戚や友人を巻きこむ一大事だ。


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