sweet voice
伸二くんが帰ったあと、どうしたらいいのかまったくわからなくて、呆然としていた。


月曜になり、会社で仕事してる最中でも、ふとした隙間で伸二くんとのことを考えた。


伸二くんが好きで好きでたまらなくて早く会いたい!なんていうことだったらいいんだけど。


実際は、どうしたらいいのかわからなくて、一度は別れようって決めたのに、その決断さえも揺らいでいた。


「花音、お昼行こっ♪」


ゴキゲンな茜がフロアに乱入してきた。


「・・・ごめん、今日は食欲ないからパス」


茜は、いつもと違う私の様子に気づき、


「わかった、ちょっと待ってて!」


と言うと、どこかへ行ってしまった。


しばらくすると、


「お待たせー」


茜が袋をさげて戻ってきた。


「ほら、話聞くからあっちで食べよ」


茜が私の手を無理やり引っ張り、会議室へ押しこんだ。


< 121 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop