sweet voice
「ほら、花音の好きなカスクートだよ」


茜は、すぐ近くのカフェに行って、コーヒーとのセットを買ってきてくれたんだ。


「ここのカスクート、めっちゃおいしいよね。


花音も食べな」


茜の優しさが、うれしかった。


「・・・茜、あのね・・・」


私は、泣きながら伸二くんとのことを話した。


「そっか、急展開だね」


「うん」


「でも、一番大切なのは、どこへ行くかじゃなくて、誰と一緒にいたいかだよ。


一緒にいて気をつかわなくて、自然体でいられる相手じゃないと、結婚なんてできないよ。


私のお姉ちゃん、もう結婚して5年くらいたつけど、ダンナさんより元カレの方がイケメンだったのね。


でも、結婚って生活することだから、本当に心を許せる人じゃないと続かないって。


だから、花音にとっての結婚相手は、伸二くんなのか荒井さんなのか、まだ出会ってない誰かなのか、それは誰にもわからないけど。


ある意味、ものすごいリスクのある賭けみたいなもんだよね」


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