sweet voice
なんか少し、ケンカ腰になってしまった。


重い空気が、ふたりの間を漂い始める。


「・・・連絡、待ってたんですよ」


思いきって口を開いたけど、あまりにも小さな絞り出すような声で、自分が情けなかった。


「要するに、花音はそれどころじゃなかったってことだろ。


プロポーズされるなんて、一大事だし」


「どうして、そんなトゲのある言い方するんですか?」


「客観的な意見だよ」


「私から連絡しないといけなかったんですか?」


「そんなこと言ってねーだろ」


「そういう風に聞こえたから言ってるんです」


「なんだよそれ、たまたまお互い忙しかったっていうだけじゃん」


「もういいです」


「あのさ、少しは今の俺の立場、考えろよ。


好きな子が、他の男からプロポーズされてるんだぞ」


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