sweet voice
明日は土曜日だ。


伸二くんが好きなハンバーグを作ろうかな。


伸二くんが好きなカクテルも買わないとな。


まだ12月じゃないけど、しまいこんでいる小さなクリスマスツリーも出そう。



土曜日の朝は、空気がキンと冷えている冬晴れだった。


土曜日はいつも、アラームをセットしないで寝たいだけ寝ているけど、今朝は自然と目が覚めた。


掃除をして、買い物して、ニンジンを型で抜いてブロッコリーと一緒に蒸し、焼く手前までハンバーグを準備した。


ピンポーンとチャイムが鳴り、ドアを開けると伸二くんが立っていた。


「待たせてごめんね、もっと早く来たかったんだけど。


はいこれ、お詫びのケーキ」


「ありがとう、あとで食べよう」


「おじゃまします」


伸二くんが靴をそろえ、手を洗っている間に、ケーキを冷蔵庫にしまってハンバーグを出して焼き始めた。


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