sweet voice
「結婚は勢いとかタイミングとかいうけど、僕たちは今は違ったってことなら、これから運命が変わるかもって思うのもダメ・・・だよね」


「きっと、ニューヨークに行ったら、それどころじゃなくなるよ」


「まあ、確かに忙しくはなりそうだけどね」


「応援してる。


茜から聞いたよ、同期で一番の有望社員だって」


茜は例の合コンで知り合った、すぐ寝た彼とつきあいはじめていた。


「そんなことないよ、たまたま帰国子女なだけ。


茜さんたちの結婚式で再会して、またつきあうっていうのもアリかもね」


「その時、お互いシングルだったらね」


もう、食後のケーキもコーヒーもなくなってしまった。


「最後に、ワガママ言っていいかな?」


「うん」


「せっかく縁あって知り合ったんだから、別れても友達として連絡は取り合いたいんだ」


伸二くんの声は、少しふるえていた。


「もちろん」


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